• 医療AIの開発

国立成育医療研究センターでは、AIホスピタル事業採択を機に研究者、医師だけでなく全ての職員を対象としたデータサイエンスの啓蒙、教育活動を行っています。その研修における取り組みの一つとして、教師あり機械学習を用いてAIを構築するための顔写真データセットを作成しました。


インターネットを利用し顔画像は比較的容易に集めることができますが、医学的および生物学的な応用を考えると姿勢は固定されていることが望ましく、さらに個人情報も保護する必要があるため挑戦的な試みです。
しかし、これまでにない規模の性別や笑顔などのラベル付きビッグデータとなり、データ拡張、転移学習を活用した畳み込みニューラルネットワークにより、性別は98.2%、笑顔は93.0%の認識精度を示すモデルを提示することができました。
小児の先天性疾患は特徴的顔貌を示すことが多く、画像認識による診断に期待が寄せられていますが、希少疾患のため対象人数が少なく、大量データを必要とするディープラーニングによる実装を阻んでいます。


今回の結果はAI構築に必要とされるデータ量の検討に活用され、今後のAI開発に指針を与えるものです。