• 医療AIの開発

体外受精では,良好な精子を選別することが必要である。従来、胚培養士が顕微鏡下で目視による探索と手作業によって選別を行ってきたが、胚培養士の知識や技量、経験などの影響が大きい。胚培養士の熟練度に左右されず、かつ効率的に精子を探索・回収する手法があれば、患者や胚培養士・医師の負担を減らし、受精率を改善することも可能になると考えられる。


そこで、我々は胚培養士による精子探索を効率化するために、拡張現実(Augmented Reality: AR)機能付き顕微鏡システムと、リアルタイム動作する精子解析機械学習ソフトウェアを組み合わせた精子選別支援システムを開発している。


ソフトウェアが、事前に学習したデータに基づいて良好な精子を検出し、運動性を解析して、回収候補とすべき対象を顕微鏡接眼レンズ越しに重畳表示することにより、胚培養士の回収作業を支援する仕組みである。コンパクトな構成により、既存の顕微鏡に簡便に取り付けて使用できることを目指している。